以前はどのように教えていたのか、そして教え方にどんな物足りなさや不満を感じていたのかということを書くと、なぜ教科書をまるごとに変えようと思ったのか、または使い始めたあとの満足感がわかってもらいやすいかなと思ったので、今回はまるごとを使う前はどんな感じだったのか書いて行こうと思います。
今まではどう教えていたのか
さて今はまるごとを使って何とかもっと質のいい授業をと切磋琢磨(おおげさかな(^^;;)している私ですが、その前はみん日を使って文型積み上げ式で教えていました。
単語は絵カードや例文を利用して導入練習し、次に文型を言いたくなる場面設定をして新出の文型を導入します。文型の説明やチェックのためのQを出し学生が理解しているのか確認してから、オーディオリンガルで練習します。それからインフォーメーションギャップなどでペア練習などしてからロールプレイなどのコミュカティブアプローチ的な練習やタスクにつなげていくという形がメインでした。
何に不満を感じたのか
具体的にいうとオーディオリンガル的に練習しても口をうごがしていればいい方できちんと声を出してくれない。インフォーメーションギャップの練習でも、相手の答えを見て書いてしまうだけで全然練習してくれない。それで結局ロールプレイなどはもちろんできないという学生が増えてきました。
でもよくよく考えると
今現在私のクラスで学んでいるのは、将来日本語で入学テストなどを受けるわけでもないし、もうすぐ日本に行くわけでもないという学生がほとんどです。そんな学生に対して「日本でこういう場面に出会ったら、こういう文型を使うんだよ。きちんと練習しなさい」というのはあまりにも彼らのいる現実とはかけ離れています。きっとそういうことを今までの学生はただ言わなかっただけで感じることもあったのだけど、教師の権威だとか学習するということに対するモチベーションの高さなどが授業に影響を出さなかったのかもしれません。それに対して今担当している学生はそれをはっきり態度に示すようになってきたのです。(2)
とりあえずどう対応したのか、そして新たな問題が、、
日本語を使って実現可能な何かをするための授業に変更しました。例えば空港に行って日本の旅行客に対してアンケートをすると皆で目標を立て、そのためにみん日の内容を組み直した教材で練習し、最終的には実際にアンケートを行うといった感じです。
そのほかにも台湾にくる旅行客のためにバスやレンタル自転車の使用の仕方を紹介しようとか、先生に手紙を書いてみようなどなど、実際に日本語を使って何ができるか皆で考え、そのために学習し、最終的にはその目標を達成するという授業を一年ほどしました。
非常にやりがいがあり楽しい授業になりましたが、非常に準備が難しく時間がかかりました。また学校側が規模を拡大するために多くの学生を募集したため、たくさんの学生が転入してきて一つのクラスに色々なレベルの学生、例えば0初級とN5レベルが混在するという状況になるというあらたな問題が生じました。まるごとを使い始めた今ならともかく、その当時は同じような授業を続けるのはとてもじゃないけど無理だと思いましたし、八方塞がりで藁をもつかむ思いだったというのが、新しい教科書を探し始めたわけだったのです。
次回は、「まるごとを選んだわけと使い始めて感じたこと」です。
(1)もちろん私の力量が不足しているいうのが主な原因かもしれません。
(2)正直ずっと同じようにやっていて、ある学年から突然今までで通用していたことが通用しなくなってしまったのです。理由は他にあるんでしょうかね。
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