翻訳 translation

振り返りwith たこ焼き 振り返り(リフレクション)について

さてもうすぐ夏休み、もしくはもうすでに夏休みに入られた先生も多いと思いますが、皆さんは学生のみんなに振り返り(リフレクション)をしてもらっていますか。振り返りというのは色々な形があると思います。毎回の授業で今日何をしたか、身についたのかなどのような短いスパンでの振り返り、または一学期や一年など長いスパンでの振り返り、スキルに重点を置いたものや、成長に重きを置いたものなどたくさんあると思います。そういう私もまだまだ勉強中なのですが、最近やっとその重要性に気づき始めました。

振り返りを知る前は

最初はテストの後ろに授業の感想を書きなさいというものでした。熱心な生徒は本当に色々書いてくれます。勉強に対して熱心じゃなくても、先生の心象はよくしておきたいという学生も色々書いてくれます。でも大体はおもしろかったとか先生ありがとうとか、正直悪い気はしませんが、こういうことを書かせてもあまり意味ないなと思うようになってきました。

それから授業の1時間を使って反省会をすることにしました。これは振り返りではなく反省会なので、出てくる意見はもちろん反省の弁ばかり、それも言わされている感たっぷりのです。「はいはい、勉強してませんでした。すみません」などという態度を隠さない学生もいるぐらいで私も苦笑せざるを得ませんでした。そこから、じゃあどうするの?と持って行っても「はいはい、勉強すればいいんでしょ。すみません」という回答しか返ってこないでしょうし、その学生がこの先態度を入れ替えて勉強するようになるとは到底思えません。

振り返りを知ってからも

その後、振り返りというものを知りました。自分一人で振り返って考えるだけではなく他の人と意見を交換することによっても様々な気づきを促し、そのなかで反省だけではなく、自己肯定も育み自信を持たせるようにする。またその先の道筋まで考えるように促すというのが私の理解です。(間違ってたり足りない部分が当たったら、ぜひ教えてください)そしてそれをもとに振り返りというものを初めて見たのですが、それでもなかなかうまく行きませんでした。

うまくいかないと感じた理由というのが、参加するのは熱心に勉強する学生で、そうでない学生は全く興味を示さないというところと、全体的にきれいに意見をまとめようとしようとして、あまり本音で話していないのではないかというところでした。このまま続けていてもあまり効果がないのかなと思っていたある日のことです。日本語のクラスでイベントを開催した後、ご苦労様会ということで鯛焼きを食べながら色々おしゃべりしていたんです。その時みんなぶちゃけるというか、いろんなことを話しやすい雰囲気になってきたので、ついでに振り返りをしてみようと促してみたんです。そうすると全員から思いの外いい話が聞けて、これはいいと感じたことが次につながります。

振り返り with 食べ物

それが今回たこ焼きを作りながらやってみようと思った理由です。
ビデオカメラを教室の外にセットしておき、学生が自由にカメラの前で話せるようにしておきます。そして行きたい時に何度でも話していいと言っておきます。*1
そうすると学生はどのような行動を起こすと思いますか?ある学生がカメラに前に行って話して帰ってくると他の学生が聞くわけです。「ねえねえ、何話した?」それから「ああでもない、こうでもない」という話に花が咲いていました。それから何か思いついた学生が発言しに行くという光景が見られました。中には友達も連れて行って色々話していた学生もいました、漫才みたいに。

私が一番期待していたものは学生の本音です。台湾の学生はこういうものを書かせると、良きにつけ悪しきにつけきれいにまとめようとします。それが本音であればいいのですが、そうでないことも多く、それがいい振り返りになっているとはあまり思えません。友達と情報を共有しながら大切なことに気づいたり思い出したりする、そしてそれを自分の胸に刻んでおくというのが振り返りの大切なことだと思います。

私たちの学生は対話ということに慣れていない

授業のスタイルで行う振り返りが学生を硬くしてしまい、杓子定規な答えしか帰ってこない原因なのではないかと考えた結果、このたこ焼きと一緒にという形にしました。何が学生を柔らかくして本音を出せる状況にするのかと考えたら、やはり食べ物が一番いいんですよね。でも正直に言えば食べ物などに頼らないで振り返りができるようになってもらいたいですし、私も学生をうまくよりよい振り返りに促せるようにならなければとは思います。ただ私たちが教えている台湾の学生は他の国の学生と違って話し合うということに慣れていなく、またそのスキルも持っていません。*2その中で振り返りということに慣れて行く、もしくは将来的にその意義に気がついて欲しいということで、このような方法をとりました。

皆さんも振り返りということに対して色々意見があると思いますが、ぜひ皆さんのご意見をお聞かせください。

*1 もちろんちゃんと話さないと、この試みは失敗だから、もうしないよとも言いましたが(^^;;
*2 これは他の科目の先生とも相談して解決しなければならない問題だと思っています。

コーヒー一杯分のご支援を

ご支援いただけると様々なICTによる実験が捗ったり、生徒たちのお菓子が増えたりします。😃

学び振り返り日本語教育
スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
シェアします? 要分享嗎? share it?
AbeKimihikoをフォローする

コメント