翻訳 translation

もうちょっときれいにするとどうなるかな-「ICT教育って何なのさ」6

ある人
ある人

なんでわざわざ生徒のビデオで合成なんかするの?
意味があることなの?自分がしたいからやっているんでしょ

生徒の発表や会話、または劇などをビデオやテープに収めていたのはYouTubeが今のようにメジャーになる前からでした。最初にビデオをなどを撮った理由は記念のためとか、単純に喜んでもらおうとか、そんな理由だったと思います。(より緊張する場面で、きちんと練習したものが出せるようになってもらいたいという理由もあったのかな、たしか(^o^;))それからインターネットが便利になっていき、様々なアプリケーションが進歩した結果、本来は専門的なスタジオ、または設備がなければできないことが簡単にできるようになってきました。

せっかくビデオを撮るんだから、、

大学で教えていたときは時々は生徒を外に連れ出して撮影もできました。でも中学生、高校生を外に連れ出すのは非常に難しいです。中高生に教え始めてからは、ビデオの背景はいつも教室になりました。レストランでも喫茶店でも観光地でも映る背景は同じです。正直言えば私自身そこに若干の物足りなさを感じたのだと思います。

とはいえ会話の練習や試験の目的から考えれば、それはそんな大切なものではありません。でも思ってしまったんです、せっかくビデオを撮るんだから、もっと面白くならないかなと。そこで使い始めたのがブルースクリーン(今だとグリーンバックかな)による背景との合成やテロップの挿入でした。そこは完全に趣味の世界ですよね。

そのようなビデオを作った事が思っていなかった二つのことを生徒にもたらしました。一つ目は自分たちが映った会話のビデオが一つの制作物と言う意識、それから新しい技術に対する興味です。

生徒らにもたらした二つのもの

それまでのビデオは記録したものとして、復習に使ったりクラスの中でワイワイ見て話したりするためだけのものでした。その後、生徒を撮影したものを違う背景と合成したりテロップを入れたりするようになっていったのですが、よりクオリティの高いものになったことにより、関係者以外の人に見せることができる制作物を作っていると言うことを生徒たちは意識にするようになったような気がするのです。(いくら生徒たちが素晴らしいパフォーマンスを見せても会話だけとかスピーチだけで関係者以外の人たちも見ていて飽きないものを作るのはなかなか難しいと思うのです)

その生徒たちの意識の変化に加え、できるだけ現実の状況に合わせて授業を設計するということを意識しだした私は、その制作物の受け取り側や状況、目的を考えて作品を作ってもらうと言う方向に授業が変化していきました。(でもこうして振り返ってみると、インタラクティブな会話の練習が減ったなと感じました。それは修正しないと)観光ビデオだったり、習慣の違いを紹介するビデオ、中国語を教えるビデオなどなど、それらはきっとブルースクリーンなしに行うのは難しかったんじゃないのかなと思います。

生徒たちの作品はこちらから見られるので、興味のある方はぜひ御覧ください。

それから新しい技術への興味です。合成によるビデオを作り始めてからしばらくすると、私にどうやったら合成ができるかということを日本語の学生でもない学生までも質問に来るようになりました。きっと日本語の学生が自分のビデオを見せてクラスメートに自慢したのでしょう。今ではたくさんの生徒たちはパフォーマンスや美術の授業だけではなく、国語や英語、理科の課題に関しても合成を使ったビデオを作っているようです。

やって見せて、やるかどうかは彼ら次第

新しい技術で自分が見て凄いと思ったことが今は簡単に表現できます。でもそれはテレビやYouTubeで見たりするだけでは最初の一歩を踏み出すことができないような気がするんです。そこらにいるようなボケッとしたおっさんの私がそういうことをやることによって自分もできるんじゃないかって思っているような気がするんです。

私の目標の一つに生徒が様々な表現方法を手に入れ、それで自分を表現することができるようになるための手助けをするというものがあります。だからこれからも私がオモシロイと思ったことは生徒に見せて行きたいと思っています。

きちんと誰かに届けるものを作ることと、それを目標に学ぶということ

インターネットの発達によって、またはアプリケーションの発達によって、素人でもクオリティの高いものを簡単に、世界中に届けることができるようになりました。生徒たちは社会に接続し、より高いモチベーションで何かを作ろうとする、そのためにはっきりとした目標をもって学びをすすめる、これが私の目標とする形の一つです。ですから生徒たちが簡単にいろんな方法で自分を表現することができる、そしてインターネットで簡単にたくさんの人に届けることができる、このICTの力と言うのは私のクラスにとって欠かせないものなのです。

追記1
最近はOBSを使った劇をしてもらいました。残念ながら色々あって公開できないのですが、本当に素晴らしい出来でした。
追記2
生徒がボランティアで小学生に教えているとき、Kahootを使っているのを見て、後ろで思わずニヤけてしまいました。(ΦωΦ)フフフ…

コーヒー一杯分のご支援を

ご支援いただけると様々なICTによる実験が捗ったり、生徒たちのお菓子が増えたりします。😃

外国語教育教育ICT日本語教育
スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
シェアします? 要分享嗎? share it?
AbeKimihikoをフォローする
外国語学習 学びの牧場

コメント