
最近、私から以前ほど「メタバース」という言葉を聞かなくなった、と感じている方もいるかもしれません。
実は、少し前に結膜炎を患ってしまい、物理的にヘッドセットを装着できない時期がありました。それをきっかけに、気分的にもメタバースから少し距離を置いていたのが正直なところです。
しかし、私がもともとメタバースを授業や仕事に取り入れたいと考えた原点は、「生徒たちのオンラインでの自由な交流」と「自分を含む数人で利用できるワークプレイス(居場所)」を確保することにありました。その原点に立ち返ったとき、私が行き着いた答えは「3D」ではなく「2D」への回帰でした。
初めて出会ったGatherの感動
メタバースの可能性を最初に確信させてくれたのは、Gather(ギャザー)というサービスです。
ブラウザから手軽にアクセスでき、ドット絵のRPG世界をちょこまか動き回る楽しさ。近くに寄るだけでビデオ通話が始まり、資料を見せ合ったり、ミニゲームをしたり……。「これこそ教育現場やリモートワークの課題を解決するツールだ!」と、当時は非常にワクワクしました。
3Dメタバースへの移行と、直面した「壁」
しかし、Gatherを使い続ける中で大きな壁にぶつかりました。「価格改定」による無料枠の制限です。
以前は10名以上でも無料で使えましたが、現在はその枠が非常に厳しくなりました。これではクラス単位の交流やイベントには活用しきれません。
そこで次に目を向けたのが、Cluster(クラスター)などの3Dメタバースでした。 非常に優秀で楽しいサービスですが、仕事のツールとして使うには、どうしても「その世界(操作やクラフト)」に意識を割きすぎる側面がありました。もちろん3Dメタバースのすばらしさはあげるときりがありません。
しかし「デスクトップの片隅に置いておき、誰かに話しかけられたら対応する」というオンラインオフィス的な用途には、動作も操作感も少し重かったですし、PCスペックやヘッドセットといったハードウェアのハードルが、参加者の心理的な壁になってしまうことも、私が3Dメタバースを積極的におすすめしなくなった理由の一つでした。
再び2Dメタバースへ:WorkAdventureとの出会い
そんな折、「2Dメタバースの実験に付き合ってほしい」というお誘いを受け、久々にその空間に足を踏み入れました。そこで改めて実感したのは、「学校の交流やオフィス用途なら、やっぱり2Dの方が圧倒的に使いやすい」という確信でした。
動作が軽く、何より「気軽」であること。そこでもう一度リサーチを重ねて見つけたのが、今回ご紹介する「WorkAdventure(ワークアドベンチャー)」です。
なぜ「WorkAdventure」なのか
多くの2Dメタバースが「最初は無料、一定数以上は高額課金」というモデルを採る中で、WorkAdventureが決定的に違うのは、システムがオープンソース(OSS)として公開されている点です。
- 継続性の担保: 万が一、サービスが終了したり、予算に見合わない値上げがあっても、自分でサーバーを立てて運用を継続できます。
- ビデオ通話の仕組み: 通話システムには、同じくオープンソースの「Jitsi」などが採用されています。
QuizizzやPadletなどの教育系ツールも同様ですが、せっかく作り上げた学習リソースやスキルが、サービスの都合(有料化や制限)で無駄になってしまうのは、教育者として避けたいリスクです。多少の技術的な習得は必要ですが、「自分でコントロールできる」という安心感こそ、長く使い続ける上での最大のメリットだと考えています。
mocriでもなく、Zoomでもなく
なぜ、あえてメタバースなのか。「mocri(もくり)」のような作業通話アプリや「Zoom」とは何が違うのか。
それは、「空間(移動)」の概念があることです。 メタバース内では、相手が今どこにいるかが視覚的にわかります。
- 距離を置いて、お互いの気配を感じながら別々の作業をする。
- 近くに寄って、ふらっと会話に加わる。
- 盛り上がっている輪を「今は静かにしたいな」と、そっと離れる。
この**「物理的な距離感」が生む気軽なコミュニケーション**は、URLを発行して「入室」するZoomなどではなかなか再現できない、メタバースならではの良さです。
冬休みのオンラインオフィス、開いています
この冬休み、私はこのWorkAdventureの中に自分のデスクを置いて仕事をしています。
「今は話しかけないで」というステータスを出すこともできますし、そうでない時はいつでも気軽に声をかけてもらえる。そんな「誰かが近くにいる温かさ」を感じながら作業ができる空間です。
現在、私が管理しているサーバーには10名ほどが入れるようになっています。もし興味がある方がいれば、ぜひ遊びに来てください。一緒におしゃべりしたり、時には相談したりしながら、新しいオンラインのつながりを一緒に楽しみませんか。
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