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いろんな科目の授業に触れることで自分の世界を少しだけ広げる

外国語教育

以前のブログにも書いたかもしれませんが、私は以前日本語を教えるトレーナーか教材を開発する職人を目指していました。それが悪いとは今でも思っていません。ですが今現在、私と一緒に教室にいる中学生や高校生には、私が以前目指していたような職人やインストラクターではなくて、もっと違う役割の人が必要だと感じるようになりました。それから色々な出会いがあり、きっかけがあって私も少しずつ変わっていています。

という訳で、これから何回かに分けて、何が変わって行ったか書いていきます。

自分の世界を少しだけ広げる

以前の私は日本語教師として日本語の上達を助けることのみが自分の役目だと思っていましたし、読む本も参加する研修も「日本語教育のための」という枕詞が付いていなければ、あまり興味を示していませんでした。もちろん最初はそれ以外のものを学ぶ余裕もありませんでしたが、余裕ができてきてからも相変わらずほかの科目を覗いてみたり知ろうとすることはありませんでした。

それが変わったのはミドルイヤープログラム(以下MYP)という国際バカロレアの6年生から10年生までの課程を担当することになってからです。最初はその方法論を聞いてもチンプンカンプンでしたし、正直あまりいい印象を持っていませんでした。特に第二言語という大きな枠組みの中、英語、フランス語、中国語、スペイン語などの言語の講師と一緒に研修を受けた時、まず何で違う言語の教師と一緒に研修を受けなければならないのかとか、第二言語の英語教育が置かれている状況と第二言語の日本語が置かれている状況は全く異なり(台湾では日本語は第二外国語という位置付けの場合が多い)、英語の教師であるワークショップリーダーが提示する方法なんか絶対出来っこないと不満たらたらでした。今から振り返ってみると、よくわからないから具体的にどう授業をしたらいいのか知りたいのに、詳しく教えてもらえないことに不満を持っていたんだと思います。

最後の方に違う言語の教師が一つのグループになって単元案を作りなさいというグループワークがあったのですが、最初はそんなものできるわけがないと思い、あまり話し合いに加わらず、話を聞いていました。(英語力が足りなく、なかなか発言できなかったというのもありましたが(^^;;)すると、意外にも日本語の授業にも応用次第で使える形になっていったんです。(もしその時すでに「まるごと」を使っていたら話は違ったのかもしれませんが、その時は「みんにち」一本でしたし、、「みんにち」用の教案で英語などを教えるって容易には想像できないのでは?日本語を教えている英語の先生にも聞いてみたいですね)それが、日本語教育のための知識以外のものが、自分の授業に役に立つのかもと考え始めたきっかけです。

もっと広がる世界

その後もMYPでの教え方を学んでいったのですが、その中で単元案の書き方などを他の科目の先生と共有する機会がありました。すると、単元案の書き方のフレームワークは同じなんですよね。「重要概念」と「関連概念」、グローバルな文脈を決めて、「探究の問い」を考える。そして学習するためのスキル(learning skill)の中で、どんなことを生徒たちが学べるか、どんなきっかけを提供するのかを考えるなどは同じなんです。恥ずかしいことですが、そこで初めて他の科目から学べること(その科目が持つ知識ではなく、教え方やアプローチ)が多いと気がつきました。社会の授業からは問いの立て方や文化などに対する学びをどう日本語のクラスに組み込むのか、国語からは言語化についてなど、デザインのクラスからは学習するためのスキルをどう授業内容に組み込んでいったらいいかなど、ほかの細かいものを含めたら、きりがないほどです。もちろん、そのままでは自分のクラスには使えませんが、他のクラスで行われていることを自分の授業の文脈に当てはめるとと考えると、今まで考えられなかったアイディアや方法が浮かんでくるんですよね。

もちろん目を凝らして遠いところまで見ていけば、もっと広い世界から様々なことを学び、それを教室に持って帰ることができるかもしれません。でも、まずその第一歩として、いろんな科目の世界を覗いてみたいと思いませんか?

「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」授業概要
2019年8月25日(日)に大阪女学院中高で開催する本イベントの受付が本日より始まります。

それが今回皆さんにこのイベントをおすすめしている理由です。自分を広げること、これは自分を浅くすることでは決してないと思います。それどころか、自分を広くすることでもっと深く掘り進んでいきやすくなるとは思いませんか。(また感覚的な話ですみません(^^;;)

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