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日本語のレベルが異なる学生が混在する学級で学ぶ学生の自律学習とクラス運営2

みなさん、こんにちは。1のほう見ていただけたでしょうか。前回の投稿後、次回を楽しみにしているなど励ましのお言葉いただいて、チョーうれしいです。おそらく全部で3回に分けて投稿すると思いますの、お付き合いいただければと思います。

↓これが前回の投稿です。

日本語のレベルが異なる学生が混在する学級で学ぶ学生の自律学習とクラス運営1

日本語のレベルが異なる学生が混在する学級で学ぶ学生の自律学習とクラス運営2

学生が自分にあったレベルで学習できるようにするためのクラスデザインの試み1

一斉授業をしていた時、教科書は「みんなの日本語」を使用し、文型積み上げ式にて授業を行って来ました。オーディオリンガルでの練習や、タスクワークやロールプレイなどをその度に組み合わせながら授業をして来たのですが、もちろんこの授業方式では一つのレベルにしか対応できません。ですが「みんなの日本語」を自律的な学習に使ったとしても、学生は読むことと書くことしか練習しないのではという懸念がありました。その時ちょうど「まるごと」という教科書とオンライン上の副教材に加え、EDpuzzleというウェブサービスを知りました。これを利用することによって、読むこと書くことだけではなく、聞くことや考えることを含めた自律的な学習環境を構築できるのではと考え、学生が授業中に自分のレベルに合わせた教材を使用して学習を進めるというスタイルの授業を始めることを決心しました。

学生にはCandoで目標を示し、以下のような選択肢を準備しました。

  • 「まるごと」とまるごとオンライン、まるごと+を利用して学ぶ
  • Edpuzzle、クイズレットなども利用して学ぶ
  • 上の練習に加えときどき教師による授業を受けながら学ぶ

 まずメインとなる教科書は「まるごと」の「りかい」にしました。「まるごと」ウェブサイトに行けば、音声ファイルは全て聞くことができます。ですから、聞く練習をしながら教科書を進めていくということが可能です。また「まるごと」には「りかい」と「かつどう」の教科書があるのですが、「りかい」のほうには説明があり、学生が自主的に学んでいくとき疑問をあまり持たずに進められるのではないかと思ったのが「りかい」を選んだ理由です。

先ほども「まるごと」のウェブサイトに行けば音声教材が述べましたが、それ以外の教材も豊富です。会話のビデオや文型の復習までできるようになっています。

もう一つがquizletでこれは単語カードとして利用するように指示しました。これは単語練習やゲーム、クイズなどを利用して単語が学べるようになっています。有料版を利用すると学生がどれをどのくらい学んだか調べることができます。

次にEdpuzzleです。YouTubeにアップロードした自分のビデオや他の人のビデオを利用して教材を作成することができるサイトです。これは実際見ていただいた方がわかると思うのでリンクを貼っておきます。

まるごとA1L8
Edpuzzle video lesson. Make any video your lesson. Take a video and crop it, add your voice or embed questions at any point.

このようにビデオに選択問題でもいいですし、記述式でもいいので質問を加えます。そして学生はビデオを見て表示された質問に答えながら学んでいくということができます。
このサービスのいいところはいくつかあります。

  • 学生がビデオを飛ばせるかどうか選べる。
  • 学生の問題を答えた成績とビデオを何%見たか、またどの部分を何回見たかがわかる。
  • 学生全体の成績で統計が取れ、どこが間違えやすいのかすぐわかる。

最初にこのサービスを見たときは、単純にレクチャーするだけの先生なら、いらなくなるんじゃないかと思いました。便利だと思いませんか。

最後ですが、授業ですね。授業というか一回20分程度のレクチャーを私に頼んでもいいということにしました。

そして評価に関してですが、2週間に一回candoができているかどうかオーラルでチェックする、中間期末テストの時に単語と文法をチェックして評価する、いくつかのCandoを組み合わせるオーラルの試験という方法を取りました。

この試みに対する振り返り

まず、意図通りにいかなかったり、残念なところを先にあげます。

  • 聞き取りの部分をシャドウイングのように何回か読み上げなさいというのを実践する学生がいなかった。
  • 聞き取りを一回しか聞かない学生が大部分を占めていた。
  • 各課のCan-doの内容が短いため、チェックの前に何回は復習すればできるという学生が半数以上だった。
  • パソコンを使うということでゲームやビデオなど授業以外のことをする学生がでた。

パソコンを使うということで、ゲームをする学生が出るというのは想定していました。なので、できるだけクイズレットや他の日本語を学びながら遊べるゲームのようなものを紹介して、そちらに誘導するようにしました。それから、問題に間違えてももう一回やり直していいという話もしていたのですが、とりあえず問題さえ終わらせてしまえばいいという学生が多かったこと、それから何度も注意したのにも関わらず声を出して練習する学生が少なかったことは意外でした。

それから学習スピードがうまく調整できなかったということ。語学学習は学生によって学んでいくスピードが違うので自分のペースでと言ったのですが、ゆっくり学ぶべき学生が早い学生に引っ張られてしまい、効果のある学びができなかったようです。簡単に言ってしまえば課題を終わらしていくだけ、という学生が現れてきてしまいました。そうならないように期限をゆっくり目に設定すると、全体の進度が遅くなるという現象が起きてしまいました。

次に良かった点です。

  • 注意したり叱ったりする時間が減った。
  • 寝る学生がいなくなった。
  • 学生がしたい時に学生がしたい質問につきあえるようになった。
  • 学生が授業の重要性を改めて知った。

教室の前に立って後ろの学生に注意するともちろん大きな声を出したり、場合によっては怒鳴り声のような声を出さなければいけなくなります。これは非常に精神衛生上と喉によくありません。一斉授業をやめたことで学生の隣まで行って注意ができるようになりました。またウロウロすることで学生が遊ぶことを防ぐことができたようですし、学生は何かに疑問を感じたら、質問するようになりました。

そのほかに意外だったのは学生が自分で学ぶことの難しさを感じ、授業を受けたいという声が上がってきたことです。なかでもいつも騒がしくしていた学生から授業しないからできないと言われた時には複雑な気持ちになりました。ただ彼が言っていることは間違えではなくて、本来そのクラスのレベルで学生に授業を選択させるべきだと思います。学年ではなくてレベルで授業が選択できるような時間割にできないかという交渉は上司とも何回もしていましたが、残念ながら学生数が少ない中でそれをするのは難しいという返事しか返ってきませんでした。

ということで振り返りを元に考えてみたのが以下の通りです。

  • 一つのレベルでは授業はできない、でも授業を受けたいという学生は増えている。
  • 教師が学生を引っ張って発話させる必要性というのも感じている。
  • 学生自体も教えてもらった方が楽に上達できると感じている。
  • でも、それと同時にそれが全部なのは嫌だとも感じている。
  • 自分で決めて学んでいきたいという欲求もある

以上のことを考えた結果、私は学生に選ばせることにしました。それはこれです。

  1. 今まで通りの授業を進める。
  2. 一つのレベルで授業をする。
  3. クラスを半分に分けて1時間は授業、1時間は自習にする。

結局「3」を皆選びました。
結果的に責任を学生と共有することにもなりました。

続く

日本語教育
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